井戸の掘り方
井戸の掘削
掘削場所が決まり、井戸設計が出来たら、いよいよ井戸の掘削です。
井戸の堀方(掘削工法)には主に3種類があります。
パーカッション工法、ロータリー工法、エアーハンマー工法です。
各工法には長所・短所があり、掘削深度や地下地質、作業スペース、井戸の利用方法、予算など様々な条件を検討して、適切な掘削工法を選択します。
井戸の堀方(掘削工法)には主に3種類があります。
パーカッション工法、ロータリー工法、エアーハンマー工法です。
各工法には長所・短所があり、掘削深度や地下地質、作業スペース、井戸の利用方法、予算など様々な条件を検討して、適切な掘削工法を選択します。
掘削工法
ロータリー工法
トリコンビットと言われる刃先と地上の機械を堀管(ロッド)で連結し、刃先に回転力を与えます。ビットを回転させることで、地層を切削破砕しながら掘削する工法です。
大深度の掘削に適した工法で、未固結堆積層から岩盤まで幅広い地層に対応します。
水道水源、工場用井戸、温泉井戸など、比較的規模の大きい井戸の掘削に用いられます。
当社の主軸となる掘削工法です。
大深度の掘削に適した工法で、未固結堆積層から岩盤まで幅広い地層に対応します。
水道水源、工場用井戸、温泉井戸など、比較的規模の大きい井戸の掘削に用いられます。
当社の主軸となる掘削工法です。
パーカッション工法
重量のある掘削ビット(ワンビット)をワイヤーロープの先端に吊り下げ、ロープを上下動させることで地層を突き崩しながら掘削する工法です。ローピング式ともいいます。
- 歴史の古い掘削工法で、当社では昭和25年から導入しています。
- 比較的軟らかい地層の掘削に適しています。
- 他の工法では困難な崩れやすい砂層や玉石層の掘削を得意とします。
エアーハンマー工法
圧縮空気を送り先端部の掘削ビットをピストン駆動させ、打撃力によって地層を砕きながら掘削する工法です。
- 掘削と同時にケーシングを打ち込んでいくため、工期が短く安価といった特徴があります。
- 小規模な井戸や狭いスペースでの掘削に適しています。
また、掘削中に水量・水質の概要が把握できるため、試掘井戸の掘削に利用されます。
井戸工事の流れ
掘削工事は、一般的に以下の流れで実施されます。
1.仮設作業
掘削位置にさく井機械を設置し、周辺機材を仮設します。必要に応じて、敷き鉄板や防音壁などを設置します。
2.掘削作業
目的の深度まで掘削を行います。
ロータリー工法、パーカッション工法
ロータリー工法、パーカッション工法では、まず目的の深度まで掘削し、後にケーシング管を挿入して井戸に仕上げます。掘削中の裸孔は、孔内を泥水で満たして泥壁を作り、崩壊を防ぎながら掘進します。
エアーハンマー工法
エアーハンマー工法では、掘削と同時にケーシング管を打ち込んでいきます。
3.電気検層
電気検層は、掘削孔(裸孔)に測定器を挿入し、深度毎の電気抵抗を測定して、地層の区分を行う試験です。
帯水層の位置(深度)を評価し、適切な位置にスクリーンを設置するように、ケーシングプログラムを立案します。
※エアーハンマー工法では実施しません。
帯水層の位置(深度)を評価し、適切な位置にスクリーンを設置するように、ケーシングプログラムを立案します。
※エアーハンマー工法では実施しません。
4.ケーシング挿入
ケーシングプログラムに沿って、帯水層位置にスクリーンが設置されるようにケーシングを挿入していきます。ケーシング挿入は、定尺の鋼管・スクリーン管を溶接しながら、目的の深度まで入れていきます。ケーシング管挿入後は、掘削孔とケーシング管の隙間に洗浄砂利を充填します。
充填砂利は地層の崩壊を防ぐと同時に、フィルターの役目をします。
※エアーハンマー工法では、掘削作業と同時にケーシングを設置するため、この工程はありません。
充填砂利は地層の崩壊を防ぐと同時に、フィルターの役目をします。
※エアーハンマー工法では、掘削作業と同時にケーシングを設置するため、この工程はありません。
5.仕上げ作業
掘削に使用した泥水を排出し、泥壁を崩し、井戸内(ケーシング管内)に地下水を誘導します。地下水はスクリーン管を通して、帯水層から井戸内へ入ってきます。
清水置換、スワビング、ベーリング、エアーリフトなどの作業を組み合わせて実施します。
※エアーハンマー工法では泥水を使用しないため、エアーリフト洗浄により掘削中の濁水や細かい掘り屑を排出します。
清水置換、スワビング、ベーリング、エアーリフトなどの作業を組み合わせて実施します。
※エアーハンマー工法では泥水を使用しないため、エアーリフト洗浄により掘削中の濁水や細かい掘り屑を排出します。
6.揚水試験
揚水試験は、井戸の能力や帯水層の特性を調査する試験で、井戸に水中ポンプを設置して実際に地下水を汲み上げます。
予備揚水試験、段階揚水試験、連続揚水試験、回復試験などを実施。地下水位と揚水量の関係を測定し、限界揚水量、適正揚水量、水理定数などを求めます。
そして、これらのデータをもとに、本設ポンプの選定・揚水設備の設計を行います。
予備揚水試験、段階揚水試験、連続揚水試験、回復試験などを実施。地下水位と揚水量の関係を測定し、限界揚水量、適正揚水量、水理定数などを求めます。
そして、これらのデータをもとに、本設ポンプの選定・揚水設備の設計を行います。
揚水試験に伴う特殊な調査として以下のような試験があります。
影響調査
周辺井戸への影響が懸念される場合、観測井を設けて、影響水位の観測を実施します。観測データをもとに、シミュレーションを実施し、周辺井戸への影響の評価を行います。
また、水質の影響について検査を実施する場合もあります。
また、水質の影響について検査を実施する場合もあります。
微流速試験
揚水試験に伴い、井内流速の測定を行う試験です。井内流速×井戸径(断面積)=流量(湧出量)を求めます。
測定は各スクリーン(各帯水層)深度にて実施し、帯水層ごとの湧出量(能力)の違いを考察します。
測定は各スクリーン(各帯水層)深度にて実施し、帯水層ごとの湧出量(能力)の違いを考察します。
層別試験
水中ポンプと遮水パッカーを組合せ、特定のスクリーン(帯水層)から差別的に揚水を行います。
ポンプとパッカー深度を変更しながら数カ所の帯水層で揚水試験を実施し、帯水層別に揚水能力や水質の違いを考察します。
ポンプとパッカー深度を変更しながら数カ所の帯水層で揚水試験を実施し、帯水層別に揚水能力や水質の違いを考察します。
7.水質検査
水質検査は、揚水中の地下水を採水し、目的に応じた項目(水道法原水全項目、食品衛生法に関する項目など)の検査を実施します。
8.仮設撤去作業
さく井機械、仮設機材を撤去して、井戸は完成です。
この後、地下水を揚水するための、揚水設備工事を実施します。
この後、地下水を揚水するための、揚水設備工事を実施します。